進化する糖尿病治療法

糖質の取りすぎよりも問題なのは、運動不足と脂肪多めの食事

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■根本的な原因に目を向けることが大事

 重要なのは、なぜそうなったかという根本的な原因に目を向け、そちらにアプローチすること。具体的には、肥満であれば体重を落とす、食事の内容、量、取り方を改善する、運動習慣を取り入れる。糖尿病というと血糖値ばかりに目がいきがちですが、血糖値が高い人はたいてい、血圧や脂質も高い。いずれも生活習慣が関係して数値が高くなるからです。

 高血糖の状態が長く続くと心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高くなるものの、実は高血糖だけではリスクが「1」程度。しかし、高血糖に高血圧、高脂質が加わると、リスクが10にも20にもなる。前述の「根本的な原因」に目を向ければ、血糖値とともに、血圧、脂質も低下するので、心筋梗塞や脳卒中のリスクをぐんと低く下げられることになります。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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