進化する糖尿病治療法

糖質の取りすぎよりも問題なのは、運動不足と脂肪多めの食事

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 優先的に変えるべきは、なんといっても食事です。血糖値、血圧、脂質を基準値の範囲にとどめられる食事は、すごく基礎的なもので、1日3食の栄養バランスのいい食事です。肉もタンパク源なので、赤身を中心に取りましょう。

 できれば朝食は多め、夕食は少なめ。夕食は、朝、昼に比べて糖質の割合は少なめにし、油分の多いものも控えめにしてください。仕事柄、どうしても食事時間が遅くなってしまう人は、夕方におにぎりなどを食べ、帰宅後はおかずだけを、食べすぎない程度に取るようにしましょう。食事前に運動をすると、糖が吸収されやすい状態になるため、避けることをお勧めします。

 甘いものに関しては、適量であれば、朝食前やおやつの時間に食べてOKです。ただし、「食事の代わりにケーキを」というのはやめてください。また、腎機能が低下している人や、一部の糖尿病薬を服用している方も、食事内容に関して慎重になるべきです。主治医と相談が必要です。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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