名医が答える病気と体の悩み

おならの回数や臭いから隠れている病気が分かりますか?

消化器外科の白畑敦氏(提供写真)

 中には、「腐ったような臭いのおならがたくさん出る」と言う患者さんもいますが、多くはおならの回数が極端に減って、同時にお腹の張りや痛み、吐き気を伴うケースで発覚します。回数の目安としては1日5~7回以下で、1回の出る量も減ったと感じる状況が数週間続いたら、病院で相談してみましょう。

 逆に1日平均15~20回を超えるおならが続く場合、腸の炎症による疾患の可能性があります。たとえば、「過敏性腸症候群」はストレスとの関係が深く、自律神経が乱れるため、主に腹痛や下痢になります。

 指定難病の炎症性腸疾患「クローン病」も考えられます。小腸や大腸に炎症や潰瘍ができる慢性疾患で、腹痛や下痢、血便などに加えておならの回数が増えます。「潰瘍性大腸炎」も、おならがたくさん出ます。腸に潰瘍やびらんができる病気で、腸内に炎症ができるため、臭いの成分である硫化水素が発生しやすくなって、アンモニア系の臭いになるのも特徴です。

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