子宮頸がん発症予防のワクチン接種は本当に必要なのか? 4月から定期接種が再開

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 4月から、HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの定期接種(公費負担で無料)の積極的勧奨が再開している。産婦人科医であるジャスミンレディースクリニック院長の近藤一成医師に話を聞いた。

 20~30代の女性に最も多いがん、子宮頚がんは主にHPVの感染で発症する。HPVワクチンは、HPVの感染を予防するワクチンだ。

「子宮頚がんは、たとえ早期で発見され手術でがんを摘出できても、子宮温存の円錐切除術は不正出血や妊娠時の流産、早産を起こしやすくします。進行がんでは予後が良くなく、排尿障害や直腸障害が起こりますし、子宮全摘では将来の妊娠は不可能になります」

 近藤院長は研修医時代から、幼い娘の行く末を心配しながら亡くなっていく患者、子宮全摘で子供が産めなくなったことから離婚に至った患者らを多数見てきた。子宮頚がんの主原因はHPVなので、この感染を防げればかなりの確率で子宮頚がんの発症を抑制できる。だからこそ、HPVワクチンを適切なタイミングで打つことは非常に重要だと強調する。

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