認知症を予防する補聴器のすべて

指をこすり合わせてカサカサ…聞こえなければ補聴器のつけ時

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 補聴器をつけるタイミングに悩まれている方は、結構いるのではないでしょうか? 周囲の方からも「少し聞きづらいし、聞き返すことも増えたなぁ。それでも自分はまだ聞こえているし、補聴器をつけるまでもないよね」といった話を耳にします。

 誰もが自分の老いなんて認めたくないものです。

 補聴器工業会の調査によると、聞こえづらさを自覚してから実際に補聴器を購入するまで、4年以上かかる人は約40%。一方で1年未満に購入している人は18%。早めに対処する方も少なくないようです。

 加齢性の難聴は年を重ねるにつれ進行し、基本的には元に戻りません。特に最近はコロナ禍の影響でマスク生活な上、しかもパーティションがそこらじゅうに置かれるようになり、聞こえづらさを気にしている人が一層増えたように感じます。

 この聞こえづらさを放っておくと、聞き返すことの気後れから会話を知らず知らずのうちに避けるようになってしまいます。この「知らず知らずのうちに」というのが厄介なんです。無意識に、家に閉じこもり孤立してしまうわけで、刺激が脳に入らず、やがては、うつや認知症へつながる可能性も指摘されています。

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田中智子

田中智子

シーメンスの補聴器部門でマーケティングの勤務を経て、2020年補聴器販売会社「うぐいすヘルスケア株式会社」設立。認定補聴器技能者資格保持。

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