時間栄養学と旬の食材

メリンジョは長寿遺伝子を活性化し肥満や心臓病の改善に役立つ

原産地では「生命の木」と呼ばれるメリンジョ(提供写真)

「メリンジョ」というなかなか聞き慣れない名前の植物があります。原産はインドネシアで、カリマンタン島(ボルネオ島)の深い森に住むダヤック人は、メリンジョを「生命の木」と呼び、語り継いで栽培してきました。接ぎ木で簡単に増やせることから、食料不足に苦しむ人々を救えると期待され、東南アジアでは一般的な野菜なのです。

 メリンジョの花や葉もサラダでよく食べられているのですが、近年話題に上がっているのはドングリほどの大きさの種子。栄養価が高く、炭水化物やタンパク質が豊富なうえ、ポリフェノールのひとつであるレスベラトロールが豊富なのです。

 レスベラトロールは赤ワインなどに含まれている成分ですが、メリンジョにはレスベラトロールが2個重なったレスベラトロール二量体「グネチンC」と呼ばれる特殊な形をしたものが含まれています。

 レスベラトロールは長寿遺伝子とも呼ばれるサーチュイン遺伝子を活性化させる働きがあるといわれています。グネチンCにも同様の効果が期待され、肥満、心臓病、加齢に伴うさまざまな症状の改善に役立つという報告があります。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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