時間栄養学と旬の食材

メリンジョは長寿遺伝子を活性化し肥満や心臓病の改善に役立つ

原産地では「生命の木」と呼ばれるメリンジョ(提供写真)

 体内時計を動かしてくれる成分のひとつなので、朝に食べると体がシャキッと活動的になることでしょう。

 また、グネチンCは肌のシミやくすみ、そばかすの原因となるメラニン色素を生み出すチロシナーゼを直接刺激して、メラニン生成を抑制する効果があることもわかっています。

 さらには、抗酸化作用が強いといわれるアスコルビン酸やトコフェノールの1.5倍の能力があることも報告されていますし、食中毒の原因菌である大腸菌、ウェルシュ菌、アオカビなどの増殖を抑える効果を持つことから、抗菌作用を持つとされます。

 少し古いデータですが、2010年のWHO(世界保健機関)の資料によると、インドネシアの平均寿命が男性66歳、女性69歳であったのに対し、メリンジョを食べる習慣があるジョクジャカルタ特別州の平均寿命は男性71歳、女性74.9歳と圧倒的に高く、メリンジョの摂取量と寿命の関係も注目を集めています。

 国内栽培もまだ浸透しきれていないため、加工品での購入にはなると思いますが、手に取ってみてはいかがでしょうか。

2 / 2 ページ

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

関連記事