近視人口が激増…視力を落とさないために「今すぐやるべき」5つのポイント

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 今週末からGW。「コロナ対策でお出かけは自粛」という人は、せっかくの機会なので、今後の健康維持に役立つ習慣をGW中に確立してはいかが? お勧めしたいのが、「一生視力を失わない習慣」だ。二本松眼科病院(東京・平井)の平松類副院長に聞いた。

「世界的に近視人口の増加が指摘されていましたが、この増加傾向は、コロナで確実に拍車がかかったと考えられます」

 平松副院長によれば、近視の大きな原因は、パソコンやスマホなどを長時間、近距離で見続けること。この2年数カ月を振り返ってみて欲しい。オンライン上のやりとりが増え、パソコンやスマホを見ている時間が増えていないか?

 大人だけでなく子供もそうだ。その影響は如実に表れており、2020年6月、一斉休校終了のタイミングで京都市が市内の小学生に視力検査を実施したところ、視力が0.7未満の子供が、コロナ前の前年比で6ポイント増の23%になっていた。

「近視は遠くが見えづらいことだけが問題ではない。慢性的な頭痛、肩凝りを引き起こす。失明リスクのある緑内障、白内障、網膜剥離、黄斑症の発症リスクも高くなる。たとえば、緑内障は、軽度近視で2倍、中等度以上の近視で3倍リスクが高くなることが明らかになっています」

■2時間以上屋外で過ごす

 近視は薬では治せない。これ以上近視を進ませない生活習慣を身に付けるしかない。

 GW中に身に付けたいのが、「夜はスマホを見ない」という習慣。

「暗いところでは目の瞳孔が開く。その状況でスマホが発する強い光を見ると、強いダメージを受けます。さらに自律神経を乱し、入眠ホルモンのメラトニンの分泌も不十分にするので、睡眠の質が低下します」

 記者も平松副院長の話を聞いて「夜スマホ」をやめた。手元にあるとつい見てしまうので、夜はスマホを普段使わない部屋で充電し、一切見ないようにした。これだけで眼精疲労が改善した。

 子供と実践したいのが、「屋外で過ごす」。

「米国の研究で、屋外で1日2時間以上過ごす子供は近視が少ないとの結果が出ています。近視は遺伝因子も関係しているのですが、両親が近視の子供も近視になりにくかったとの結果でした」

 台湾でも政府が近視予防のため、小学校の体育の授業を屋外で週150分行うことを義務化。理科の授業では屋外観察を推奨。当初、視力0.8未満が50%だったのが、7年間で44.3%に減少し、毎年増加していた視力不良の児童数も大幅減少したという。

「これは、遠くを見る機会が増えたことも大きく関係していると思います。パソコンやスマホを長時間近くで見ていると、遠くにピントを合わせづらくなる。30センチ未満の距離で物を見ている人は、30センチ以上で見ている人に対し、近視に2.5倍なりやすいとの研究結果もあります」

 定期的に遠くを見ることを習慣化する。動画配信サービスを日常的に見ている人は多いだろうが、せめて1話に1回、遠くを見よう。ぼんやり見るのではなく、遠くの景色にピントを合わせることが大事だ。

 食にも気を配りたい。

「目にいいことが研究で明らかになっている成分に、ルテインがあります。ドライアイがある人は、DHA、EPAを。まぶたのマイボーム腺から分泌される油の質を高める作用があります」

 ルテインは、ホウレンソウやゴーヤーなど濃い緑色の野菜に豊富。DHA、EPAはサバやイワシといった青背の魚に多く含まれている。

 仕事環境のチェックもGW中に。パソコンのモニターの位置が重要だ。

「モニターと目の距離は40~70センチが目安。目線はモニターと水平~15度下になる角度が望ましいです」

 モニターの高さの調整グッズなどがいろいろと販売されているので、それらを購入して調整を。

 GW明けからは、絶好調の目で過ごそう。

関連記事