「顎関節症」は放置してはいけない 元に戻らなくなる可能性も

指1本分しか口を開けられない人は危ない

 顎関節は、「下顎頭」という骨の出っ張り、頭蓋骨の下側にある「下顎窩」という骨のくぼみ、その間にある「関節円板」で構成されていて、関節円板は顎を動かすときに骨と骨がこすれないようクッションの働きを担っている。この関節円板が前方にずれていると、異音や痛み、開口障害などが起こる。

「口は開けられるが開閉に応じてカクカクという音=クリックが生じている場合、関節円板がずれたり戻ったりを繰り返している状態と考えられます。そのケースでは、顎の関節の負担を減らしてそれ以上は症状を進行させないことを目的にマウスピースを作製し、セルフケアも指導します。口が開かない場合は、関節円板が前方にずれて元に戻らない状態です。開かなくなって2週間以内の場合は、マニピュレーションを行います。術者が手で顎に力を加え、関節円板を正しい位置に戻す施術です。関節円板が元に戻って口が開くようになったら、再びずれてしまわないように口の開閉運動を30分程度行ってもらいます」

 病状がさらに進むと顎の関節の骨が溶けて変形してしまうケースもある。

 寝起きにこめかみ付近の片頭痛や顎の痛みがあったり、口を開け閉めすると異音がしたり、指1本分程度しか口を開けられない人は、歯科医院を受診したい。

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