前立腺がんは、細胞の悪性度から低リスク・中リスク・高リスクに分類されます。ファン・ハール監督は、「細胞が攻撃的な形」とされ、高リスクでしょうか。中リスクと高リスクは、放射線治療にホルモン療法を加えることで、治療成績が向上するのです。監督も、ホルモン療法をプラスしていると思います。
ホルモン療法は、放射線治療の前に半年ほど行うのが一般的。薬は、1日1回1錠の飲み薬と、1カ月もしくは3カ月に1回の注射薬です。数カ月に1回、注射で通院したときに、錠剤をまとめて処方してもらえば、服薬の負担は少ないでしょう。生活習慣病で通院するのとあまり変わりません。
では、放射線はどうかというと、従来の放射線は、月曜から金曜まで週5日で合計38回の照射が必要でした。それがよりピンポイントに照射できる定位放射線の登場で、監督が受けた25回照射が行われるようになり、より高精度なタイプなら、5回程度で済むようになっています。
Dr.中川 がんサバイバーの知恵