進化する糖尿病治療法

子供の将来のためにも今日からバランスの取れた食生活を

写真はイメージ

 親の影響は大きいと、考えられますね。

■週に1回、家族全員で体重計に乗ってみては?

 一度に、たばこ、お酒、運動、寝る間際の食事、睡眠の改善に取り組めなければ、ひとつずつでもいい。漠然と始めるより、目標となる数字を設定した方が成功しやすいですので、週に1回、家族全員で体重計に乗るルールを作るのはどうでしょう? 

 いまから100年ほど前、ハーバード大学の言語学者であり哲学者のジョージ・キングズリー・ジップが「ほとんどの人の場合、努力次第で乗り越えられる些細な困難も、それを目の前にすると引き返してしまう」という言葉を残しています。

 人は漠然と頑張るように指示されても、途中であきらめてしまう。体重計に乗るルールで、現在の体重を視覚化すれば、「体重が増えている。今週の何が問題だったのだろう」「これ以上増やさないように、体を動かすようにしよう」「食事量を見直そう」などと考えられます。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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