新型コロナウイルスが効率よく感染するにはウイルス表面のスパイクタンパク質がヒト細胞の表面のACE2受容体に結合し、TMPRSS2と呼ばれる酵素により切断される必要がある。そのためこの2つが備わった咽頭部や肺など呼吸器系の細胞での感染拡大が注目されてきた。
しかしいまは、この2つは口腔内の舌、味蕾、歯肉溝にも存在することが明らかになっている。
「飛沫を浴びた料理を介して口腔内から感染することを科学的に証明した論文は知りません。しかし、向かい合って食事をしただけで感染、感染者が配った料理を食べた人の感染が明らかになるなどが報告されています。口の中にたくさんの侵入口がある以上、口腔内感染は理論上あってもおかしくないと考えます」
岩室医師の懸念は飲食中の感染リスクの高さが広く認識されたのに、今回エアロゾル感染が強調されたことで、飛沫を浴びた料理への警戒感が薄れつつあることだ。
コロナ第7波に備える最新知識