このように、ウイルスを体内に保有している人を「キャリアー」と呼びます。キャリアーの約90%は一般的に無症候性キャリアーのまま生涯を終えます。しかし、約10%の人は慢性肝炎を発症し、肝硬変、肝細胞がんへと進展する危険性があるとされています。
キャリアーに対しては、肝細胞がん発生の抑止などを目的として抗ウイルス治療が行われる場合があります。主な治療法は「インターフェロン療法」と「核酸アナログ製剤の内服治療」です。
インターフェロン療法は、人工的に生産したインターフェロンを注射で補う治療法です。インターフェロンはウイルスに感染した際に体を守るために体内で作られるタンパク質の一種で、ウイルスを排除したり増殖を抑える働きがあります。
インターフェロン療法は治療期間が24~48週間と限定されており、催奇形性もないため若年者で比較的使用しやすいといわれています。しかし、治療期間中は週1回の通院が必要で、治療効果が得られる症例も20~40%にとどまっています。
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