感染症別 正しいクスリの使い方

【B型肝炎】がん発生抑止のために行う2つの抗ウイルス治療

写真はイメージ

 一方の核酸アナログ製剤は、ウイルスの増殖を直接阻害する内服薬です。治療が簡便で、自然治癒の可能性が低い高齢者においてもほとんどの症例で抗ウイルス作用を発揮し、肝炎を沈静化することが可能とされています。ただし、投与中止による再燃率が高いため、長期間の継続的治療が必要となってしまいます。

 一概にどちらの治療が優れているとは言いづらく、その人に合った治療を選択することが大切なのです。

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荒川隆之

荒川隆之

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

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