さらに、麻酔薬も進化し、覚醒までの時間が短くなりました。実際、手術後、平均15分ほどで歩け、1時間ほどでクリニックを出ることができます。
私たちは、2015年11月から19年12月までに当クリニックで行ったすべての脱腸日帰り腹腔鏡手術(術式は「腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術=TAPP法」)1408例の短期成績や安全性を検討しました。要旨としては、日帰り成功率は99.8%と良好な成績で、死亡・後遺症とも0例。
薬剤アレルギーやぜんそく発作という予期せぬ合併症で入院となった患者さんが0.2%。その他の合併症はいずれも軽症で治癒しているという内容で日本臨床外科学会雑誌に収載されました。
なお、本報告は日本語文献初の大規模研究として優秀論文賞を受賞しています。
日帰りで手術できるなら、日帰りで。本連載で、みなさんに日帰り手術の正しい知識をお伝えしたいと思っています。
手術は日帰りでここまでできる