コロナ後遺症の嗅覚・味覚障害はどう治療するのか? 医大教授が4つの治療法を解説

コロナ治癒後も嗅覚・味覚障害が続くケースも(C)PIXTA

 そこで炎症が確認できたら、「嗅覚障害診療ガイドライン2017」の鼻の炎症がある場合の治療法に準じて、ステロイドの局所投与が検討される。

 発症から1カ月超なら、ウイルスが嗅神経(においを感知する神経)を破壊したことによる嗅神経性の障害が疑われる。やはり「嗅覚障害診療ガイドライン2017」に準じて、漢方薬の当帰芍薬散や、神経修復機能のあるビタミンB12製剤を使う。

 また、味覚障害がある人には亜鉛製剤を投与する。

「実は海外では唯一、嗅神経性の嗅覚障害にコンセンサスを得た治療法があります。ヨーロッパで広く行われている嗅覚刺激療法で、4種類のにおいを1日2回15秒ずつかぐ。イギリスではコロナによる嗅覚障害のガイドラインにも掲載されています。ただ、4種類のにおいの中には日本人に馴染みが薄いものもあり、別のにおいに置き換えて欧州と同様の結果が出るか、現在臨床研究中です」

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