健康長寿に役立つ高齢薬膳

【ホタテ】皮膚と関係が深い「肺」を強化して肌に潤いを与える

ホタテと豆腐の潤いレンジ蒸し(提供写真)

 中医学において皮膚の要となるのが「肺」と呼ばれる臓器です。肺は呼吸器をつかさどる一方、皮膚との関連が深く、肌に潤いや弾力を与えたり、その表面をガードする臓器と考えます。そのため、肺の働きが衰え、乾燥すると皮膚も乾燥して、トラブルが表れます。ですから、肺に潤いを与える食材を取り入れることが大切です。

 おすすめはホタテ。体に必要な水分を与えて、その量を維持するパワーがあります。さらに、老化に関わりの深い腎にも作用するため、老化による皮膚の衰えをサポートする働きもあるのです。また、滋養強壮にも優れ、胃の働きをアップする効果があり、食欲不振や消化不良にもおすすめです。そのほか視力回復、めまい、のぼせの改善などにも役立ちます。ホタテの調理が面倒なときは、ホタテ缶を使えば手軽に体によく、缶汁のうまみでおいしい料理を作ることが可能です。

 コンビニなどで販売されているホタテ貝柱も味噌汁やスープに入れればおいしい出汁が出るので、常備して活用してみましょう。

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池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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