コロナ死亡数はどうやって決まるのか? 医療情報学教授が特別寄稿

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 イギリス政府はコロナの死者数を大幅に水増ししていると、大炎上したのである。しかも同様の書き込みが、フランスやオランダにも飛び火するなど、ちょっとした騒動に発展した。

■日本での2020年の確定数は3466人

 日本では、コロナが死亡に関与したと考えられる場合(具体的にはPCR検査でコロナ陽性が確認された場合)、それが主たる死因であるかどうかにかかわらず、コロナ死として届け出ることになっている。簡単に言えば、PCR検査で陽性だったら全員コロナ死だ。かなり乱暴だが、厚生労働省としては、これはあくまでも概数であって、あとで死亡診断書をもとに死因を確定するとしている。現時点で確定しているのは2020年の数字である。ところが人口動態調査(2020年)によれば、コロナ死の概数も確定数も3466人となっている。本当に死亡診断書を精査したのだろうか。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

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