白内障手術後に眼鏡をかけたくなければ「多焦点レンズ」を選ぶ

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「多焦点の割合が低い理由として、単焦点より手術費がかかることに加え、一般の方の認知度が低く、特有の見え方への不安があることも大きいと思います」(ビッセン宮島特任教授=以下同)

「特有の見え方」とは、「コントラスト感度の低下」と「ハロー・グレア現象」だ。明暗の対比を見分けるのがコントラスト感度で、ハロー・グレア現象は夜間のまぶしさ。いずれも、単焦点では起こりづらい。

「コントラスト感度、ハロー・グレア現象ともに、術後は多くの人が感じます。しかし脳には順応性があり、時間とともに気にならなくなる人が大半です」

 4月に発売された多焦点眼内レンズに取り換えた患者74人を対象に、ビッセン宮島特任教授が行った調査では、手術後5メートルから40センチまで平均1.0以上の視力が保たれ、86%以上は眼鏡不要。見え方に「とても満足/満足」と答えた人の割合は、遠方が97%、中間が100%、近方が81%。コントラスト感度は、全周波数領域で正常範囲内で、ハロー・グレア現象は90%以上が日常生活に問題なしとの回答だった。

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