60歳からの健康術

眼科編(11)眼球周囲結合組織のたるみから起きる目の病気

写真はイメージ

 年をとると全身にたるみが出てくる。それは目も同じだ。顔や体のたるみは見た目が悪くなるだけだが、眼筋のたるみは見え方も変えてしまうから要注意。たとえば眼瞼下垂だ。まぶたが下がってきて見えにくくなる病気で、いつも眠たそうに見えたり、何とかまぶたを上げて見ようとするために頭痛や肩こりの原因になったりする。上まぶたを上げる筋肉の力が弱くなったり、その付着部の腱が滑って緩むことで起こる。

 同じく目の周りのたるみや緩みで生じるのが「サギングアイ症候群」「たるみ目症候群」だ。自由が丘清澤眼科(東京・目黒区)の清澤源弘院長が言う。

「最近話題になっている目の病気で、高齢者に見られる後天的な内斜視の原因のひとつです。眼球の周りには眼筋を包む結合組織の輪があり、それが眼球を取り巻く筋肉を固定しています。その働きにより左右の目を適切な方向に向けられるのです。しかし、加齢でコラーゲンが減少するとその結合組織にたるみが生じて左右の眼球の向きが揃わなくなります。いわゆる内斜視の状態です。結果として、ものがぼやけて見えたり、二重に見えたりするのです」

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