60歳からの健康術

眼科編(11)眼球周囲結合組織のたるみから起きる目の病気

写真はイメージ

 実際、遠方で物が二重に見えると訴える79歳の女性の目をMRI検査で調べたところ、目の筋肉を支える結合組織に緩みが見られたという。

 年寄りの病気ならば、もっと昔から知られていてもよさそうだが、なぜいま話題なのか。

「それは目を酷使する人が増えて症状を訴える老人が増え、また病態理解も進んだからです。人間は目から9割以上の情報を得ており、スマホやパソコンなどのデジタル機器はもちろん、大量の紙の資料を見ることなしに生活はできません。現代人はそれだけ目を酷使しているわけで、眼球を支える筋肉や結合組織はそれだけダメージを受けているということです」

 加齢で目が悪くなるという意味は、白内障のようにカメラのレンズにあたる水晶体のタンパク質が変性し劣化するだけではない。眼球を適切な位置に支えられなくなり、斜視になることもあるということだ。覚えておこう。

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