実験では被験者たちに、「眉間にしわを寄せながら楽しい出来事を思い出す」「笑いながら悲しい出来事を思い出す」「笑いながら悲しい音楽を聴く」「眉間にしわを寄せながら楽しい音楽を聴く」など、表情とマインドが異なるさまざまなバリエーションを試しました。
その結果、表情とマインドが一致しているときよりも、一致していないときのほうが脳の活性度が上昇したそうです。つまり、苦々しい体験をしているわけではない人が、あえてマインドと逆の表情である眉間にしわを寄せてしかめっ面をすると、脳が活性化すると示されたのです。当事者ではない第三者である刑事が、解決の糸口を探そうと難しい顔をして悩むのは、脳の活性化につながっているわけで、この実験結果においては理にかなっているのです。
心と体が逆の動きになることで、脳は「なんで相反するアクションをするんだろう?」と活性化し、物事を多様な視点から考えられるようになるといいます。たとえば、あなたがスマホをどこに置いたか失念したとき、焦って、苦々しい気持ちで考えるよりも、ニコニコして思い出したほうが脳は活性化するとも言えるでしょう。
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