アルコールと関係ない「脂肪肝」は心血管疾患リスクもアップさせる

肥満などの生活習慣病は心血管疾患のリスクでもある

「国内外の研究で、NAFLDの人は、一般の人に比べて心血管疾患を起こすリスクがおよそ2倍多くなることが多数報告されています。NAFLDが心血管疾患とどのように関係しているかについて詳細なメカニズムはわかっていませんが、NAFLDは、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧といった生活習慣病を背景に生じます。そうした生活習慣病は、心血管疾患のリスク因子でもあるので、両者には大きな相関関係があると考えられています。また、NAFLDでは脂肪が蓄積した肝臓や脂肪細胞から炎症性サイトカインが放出され、炎症や血栓形成が生じて動脈硬化や血管内皮の機能障害を引き起こすことも報告されています。さらにNAFLDが進行して起こる肝臓の線維化は、肝硬変だけでなく、心臓の拡張不全や心筋のグルコース取り込み障害とも大きく関係しているため、心血管疾患の大きなリスク因子になるとみられています」

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