進化する糖尿病治療法

「低GI値」を意識した食生活で血糖値を下げられるのか

GI値が高い食品だけが糖尿病のリスクを上げているのではない

 血糖値が下がりにくい人は、食後の血糖値の上昇が緩やかな食品を選んだ方がいいとも言われ、その選択に役立つのがGI値になります。GI値が高いほど食後の血糖値の上昇が急激であり、逆にGI値が低いほど食後の血糖値の上昇が緩やかになります。

 カロリーが高い食べ物ほどGI値が高いと考えている人もいますが、GI値は食品に含まれる糖質の吸収度合いなので、GI値とカロリーはイコールではありません。

 また、同じ炭水化物であっても、高GI値のものもあれば、低GI値のものもあります。たとえば、白米は玄米よりもGI値が高い。一般的に、GI値が70以上を高GI値、56~69を中GI値、55以下を低GI値として分類されています。

■心筋梗塞や脳卒中の発症リスクに関係ありとの報告も

 カナダのトロント大学などが20カ国、13万7851人を対象としたGI値に関する調査結果(中央値9.5年間の追跡調査)を発表しています。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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