くも膜下出血は発症2週間で人生が決まる 手術成功でも死のリスク

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 方法は2つ。1つはクリッピング術。開頭手術で、脳動脈瘤の根本をクリップで留める。もう1つはコイル塞栓術。脚の付け根から血管にカテーテル(細い管)を入れ、それを通してプラチナ製のコイルを脳動脈瘤に送り込み、瘤を完全に充填し破裂を防ぐ。これらの手術で再出血を予防できた、これで死のリスクを回避できたか、というと、そうではない。次は、脳血管攣縮、頭蓋内外の合併症、水頭症(脳室に髄液が過剰にたまり脳を圧迫する)の対処が鍵になる。いずれも、死に至る可能性がある。

「くも膜下出血は発症2週間で患者さんの人生が決まる。医療スタッフは術後も細心の注意を払って集中管理をしなくてはなりません」

■20年以上ぶりに画期的な新薬が登場

 今回、薬が発売されたのは、脳血管攣縮に対してだ。一般的に、くも膜下出血発症後5~14日の間に起こる。

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