くも膜下出血は発症2週間で人生が決まる 手術成功でも死のリスク

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「くも膜下出血でさまざまな物質が放出され、それらによって血管が一過性に細くなります。くも膜下出血の程度がひどいほど起こりやすいのですが、誰に起こって、誰に起こらない、というのは検査ではわかりません。重度の脳血管攣縮では脳梗塞へ移行してしまう。その程度が高ければ命を落としてしまう。くも膜下出血の術後、脳血管攣縮をいかに対処するか。脳外科医の力の注ぎどころなのですが、脳血管攣縮に対して『行うように強く勧められる(推奨度A)』治療法はこれまでありませんでした」

 脳血管攣縮の薬が日本では2種類承認されているものの、いずれも20年以上前のもの。ガイドライン2021年版では「推奨度Bエビデンスレベル低」。

 なお、推奨度はA~Iで分類されており、Aが最もグレードが高い。また、米国、欧州では脳血管攣縮で承認されている薬はない。

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