感染報告が相次ぐ「サル痘」は何が怖いのか? 動物ウイルス学者に聞いた

サル痘ウイルス(CDC提供・共同)

 この病気の致死率は最大11%との報告もあり、特に小児において高い傾向にあるという。ただし、日本を含めて先進国では死亡例は報告されていない。小児などで重症化、死亡した症例の報告もあるが、多くは2~4週間で自然に回復する。

「サル痘は一般的には症状は重くないといわれ、濃厚接触で広がるため隔離や衛生管理によって比較的拡大を抑制しやすいとされています」

■バイオテロでの使用を懸念された過去も

 ではなぜ、いま話題なのか?

「それは今回の感染報告が英国から始まり、スペイン、ポルトガル、ドイツ、フランス、スウェーデン、ベルギー、米国など、流行地域以外で同時多発的に報告されているからです。世界で最初にその存在が報告されてから50年間は、アフリカ以外ではほとんど報告されておらず、ヒトからヒトへの感染もめったにしないとされています。そのウイルス感染症がなぜいま、同時多発的に発見されるのか。不思議です」

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