進化する糖尿病治療法

これさえすれば血糖値が下がる…ワンポイント情報に騙されない

毎日続けられる運動を(C)日刊ゲンダイ

 運動の重要性も、伝えたい内容になります。どんな運動が向いているかは人によって違います。週3回はウオーキング、といった高い目標を掲げ実行できるならいいですが、それで挫折しそうなら、テレビを見ながらストレッチすることから始めるのでもいいんです。思いついた時にスクワットするのでもいい。続けられる運動を選んでください。プラス、長続きさせるためのポイントは、人を巻き込んでやること。家族、同僚、友人など、だれかと一緒にやる方が三日坊主になりにくいです。

 いま、高い減量効果を持つ薬が厚労省に承認申請中です。承認されれば、肥満によって健康障害が生じている「肥満症」の患者さんに向けて処方されるようになるでしょう。健康障害の中に糖尿病も含まれており、肥満で血糖コントロールが悪く、肥満がなかなか改善されない患者さんも対象になります。

 では、その減量効果のある薬を服用すれば、何を食べてもよく、運動をしなくてもいいかといえば、それは全く違います。薬で痩せても、その後リバウンドせずに適正体重を維持するには、正しい食事、適度な運動が不可欠です。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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