東洋医学を正しく知って不調改善

漢方や鍼灸で「頭痛」も治せるのか “一次性”が治療対象

(C)日刊ゲンダイ

 頭痛は頭部に感じる痛みの総称で、後頭部と首の境界、目の奥の痛みなども含まれます。非常に多くの方が経験している症状です。

 原因が特定できないものを「一次性頭痛」。緊張型頭痛、片頭痛、群発性頭痛などが該当します。脳血管障害など原因疾患が特定できるものは「二次性頭痛」といいます。

 頭痛を訴える人の多くは一次性頭痛が多いかと思われますが、東洋医学で頭痛の主な治療対象となるのは、この一次性頭痛です。

「緊張型頭痛」では、頭痛に伴う症状を考慮し処方されます。肩こりで後頚部の痛みがあれば「葛根湯」や「大柴胡湯」。めまいなら「苓桂朮甘湯」や「半夏白朮天麻湯」。

 また高血圧症ならば「黄連解毒湯」や「三黄瀉心湯」など。さらに冷え性なら「五積散」「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」などです。

 片頭痛の場合、漢方の処方でいえば、前触れとしてむくみが、そして回復期には利尿が表れることから、体の中の水の滞り(水滞)を改善させる生薬「五苓散」や「呉茱萸湯」を用い、月経時に伴う血の滞りを改善させるには「当帰芍薬散」や「桃核承気湯」という生薬がよく用いられます。

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天野陽介

天野陽介

日本医学柔整鍼灸専門学校鍼灸学科専任教員。北里大学東洋医学総合研究所医史学研究部客員研究員も務める。日本伝統鍼灸学会、東亜医学協会、全日本鍼灸学会、日本医史学会、日本東洋医学会所属。

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