医者も知らない医学の新常識

夜勤シフトはどれだけ健康に悪いのか? 米医学誌で論文報告

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 昼間の仕事があれば、夜の仕事もあります。特に24時間体制で管理が必要、というような仕事になると、夜の勤務と昼の勤務の交代制というような勤務体制も少なからず存在しています。こうした仕事が体に悪いというのは、医者や専門家から言われるまでもなく、「もちろんそうだろうな」と感じている人は多いと思います。しかし、そうした仕事は必要なので、なくなることはありません。

 それでは、実際に夜勤を含むシフト勤務は、どのくらい健康に害があるのでしょうか? 今年の米国医師会関連の医学誌にシフト勤務の影響を検証した論文が掲載されました。シフト勤務の代表的な職種である看護師に、24年という長期の健康観察を行い、夜勤を含むシフト勤務の年数と、その後の健康との関連を調べたのです。その結果、70歳の時点で健康である比率が、10年以上シフト勤務をすると20%以上も低下していたのです。その一方で10年を超えない勤務では、そうした差は明確には認められませんでした。

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石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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