日本で一番感染者が多い性感染症「性器クラミジア」を甘く考えてはいけない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 国立感染症研究所のホームページによると今年4月の報告数は2342件。一方、2019年4月の報告では2123件、18年4月は1850件、17年4月は1858件だったから、性器クラミジアの感染報告数は新型コロナ感染症が流行する前に比べて増えている。

 では、どこで増えているのか? 今年4月のデータによると最も多い都道府県は大阪府(196件)。以下、東京都(178件)、千葉県(164件)、愛知県(163件)、埼玉県(133件)、北海道(131件)と続く。

 やはり性感染症は大都市圏で多い、と思われるかもしれない。しかし、必ずしもそうとは言い切れない。

 じつは性器クラミジアは全症例が報告されているわけではない。全国の指定された医療機関(定点)約1000カ所からの報告数に過ぎず、そのため定点が多い都道府県では自然と報告数が多くなる傾向にある。そこでこれを1定点あたりの報告数でみると、最も多いのは宮城県となる。60件の報告数で、1定点あたり4.00件が報告された。以下、佐賀県(27件、3.86件)、千葉県(164件、3.81件)、鳥取県(26件、3.71件)が目立つ。

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