五十肩を徹底解剖する

腱板断裂は保存治療で治ってもその後は定期的な検査で確認を

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 痛みが出ないのは助かりますが、これはかえって厄介です。というのも、多くの患者さんが断裂に気づかず、対処が遅れてしまうリスクがあるからです。

 腱板断裂をズボンの穴に例えると、小さな穴は縫って直せますが、放置して大きく開いてしまっては縫うのが難しく、縫えてもまた裂けやすくなります。

 実際、同じ腱板断裂の手術でも、小さな断裂の方が大きい断裂より手術の成績が良いことは知られています。現在の「腱板断裂」が、10年後には拡大が進み、治療困難になっている懸念が残るのです。

 そうならないよう、比較的若い人でしたら腱板断裂と診断され保存療法で痛みが消えても、その後断裂の進行がないか、定期的な検査で確認することをお勧めします。

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安井謙二

安井謙二

東京女子医大整形外科で年間3000人超の肩関節疾患の診療と、約1500件の肩関節手術を経験する。現在は山手クリニック(東京・下北沢)など、東京、埼玉、神奈川の複数の医療機関で肩診療を行う。

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