がんと向き合い生きていく

われわれが地球で生きていくためにやらなければならないこと

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 減少傾向にあるものの新型コロナの感染流行がなかなか収まりません。しかも、テレビでは悲惨な戦争の報道が続き、とてもやりきれない思いの日々ですが、久しぶりに心を打たれる映像を目にしました。スウェーデンの環境活動家で、地球温暖化の弊害を訴えるグレタ・エルンマン・トゥンベリさん(19歳)の映像です。

「大人が私の未来を台無しにしようとしている」

「あなたたちは私たちにウソをついた。虚偽の希望を与えた。状況はとても悲惨である」

「同意だけではダメだ。実際すぐに行動しないと地球は大変なことになってしまう」

 そう訴えています。

 グレタさんは15歳の時にスウェーデン議会の外で抗議を始め、その後はさまざまなフォーラムに招待され、スピーチを行ってきました。

「パリ協定の一環として、地球温暖化を1.5度に制限するためにさまざまな政府が採用した戦略は不十分である。2030年までに、二酸化炭素排出量をパリで協定した40%という目標量の2倍の80%削減しなければならない」

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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