ビフィズス菌が記憶力低下を予防する 名古屋市立大教授が実験で確認

腸からアプローチ(写真はイメージ)

 近年、腸内細菌とアルツハイマー病が密接に関連していることが明らかになりつつある。それに関する研究は国内外問わず複数あるが、注目されているもののひとつが腸の代表的な善玉菌、ビフィズス菌MCC1274株に関する研究だ。

 ビフィズス菌にはさまざまな株があり、MCC1274株はその一種。MCC1274株を用いたヒトを対象にした認知機能に関する臨床試験には、次のようなものがある。

 軽度認知機能障害(MCI)はアルツハイマー病の前段階で、1年に5~15%がMCIからアルツハイマー病へ移行するといわれている。

 研究では50歳以上80歳未満のMCIが疑われる80人が、MCC1274株またはプラセボ(偽)を16週間以上摂取。すると、MCC1274株摂取群は認知機能が摂取前と大幅に改善し、プラセボ摂取群と比較しても有意に改善した。

1 / 5 ページ

関連記事