一般的には知られていない「2つの性感染症」が6月から検査が公的保険適用に

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「『マイコプラズマ』というと、肺炎を起こす原因菌(マイコプラズマ・ニューモニエ)をイメージする人も多いのですが、菌の種類が違います。尿道炎の原因になるのは『マイコプラズマ・ジェニタリウム』と『マイコプラズマ・ホミニス』の2種類です。ウレアプラズマは、『ウレアプラズマ・ウレアリチカム』と『ウレアプラズマ・パルバム』の2種類が尿道炎の原因になります」

 この4種類の原因菌は、日本では2012年から検査が可能となり、「核酸増幅法(PCR検査)」によって一度に診断できるようになった。検体は男性が「尿」、女性は「腟分泌物」を綿棒でぬぐい取り採取(スワブ法)する。また、クラミジアや淋菌と同じく喉にも感染するので、咽頭ぬぐい液を用いて調べる。

「治療は、検出される菌によって有効な抗生物質が違います。クラミジアや淋菌など複数の菌が感染していることも少なくありません。その場合には複数の薬を使ったり、治療期間が長引いたりします。菌の種類によっては薬剤耐性がかなり進んでいる可能性もあります。ただし、原因菌に合った適切な薬が処方されれば80~90%は治療効果が見込まれます」

 6月1日から「腟トリコモナス」と「マイコプラズマ・ジェニタリウム感染症」のPCR検査が公的保険の対象となった。気になる人は性感染症専門医または泌尿器科・婦人科専門医に尋ねてみることだ。

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