役に立つオモシロ医学論文

感染予防のための行動は情報の入手経路によって違いがある?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、さまざまなメディアを通じて感染予防に関する情報が発信されてきました。情報の伝達という意味では、Twitterなどのソーシャルメディアが果たす役割も大きく、良くも悪くも人の生活や社会に、大きな影響を与えています。

 しかしながら、感染予防に関する情報の入手経路と実際の感染予防行動に、どのような関連があるのかについてはよく分かっていませんでした。そんな中、新型コロナウイルスに関する感染予防行動と、感染予防に関する情報源の関連性を検討した研究論文が、ヘルスケアに関する国際誌に2022年3月13日付で掲載されました。

 この研究は、2020年と2021年に日本で実施されたインターネット調査の結果を解析したものです。20~79歳の1万8151人(平均51.7歳、男性51.3%)が解析の対象となりました。2回分のアンケート結果をもとに、「マスク着用」「屋内換気」「社会的距離」「混雑の回避」といった4つの感染予防行動について、解析対象者が利用していた情報源(人や組織、ソーシャルメディア、マスメディアなど20種)との関連性を検討しています。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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