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6月はプライド月間だが…米南部で強まるLGBTQへの医療差別

イベントではレインボーカラーのフラッグが(C)ロイター

 アメリカの6月は「LGBTQプライド月間」です。特にLGBTQ人口が全米で最も多いニューヨークでは、街中にレインボーの旗がひるがえり、LGBTQの権利や文化を祝う様々なイベントが行われています。ところが南部の保守州では、10代のトランスジェンダーに対する医療が脅かされています。

 アメリカでは若いZ世代(10代〜25歳)の2割が自分をLGBTQと考えているというデータがあり、この数字は前のミレニアル世代に比べ倍増しています。自分の本当の姿でいられる社会になってきたという流れがありつつも、こうした変化を快く思わない保守層がいるのも確かです。

 南部のフロリダ州では先日、公衆衛生局長官が医療機関に対し、「10代のトランスジェンダーに対するホルモン治療や性別適合手術を行わないように」というお達しを出したことが明るみに出て大騒ぎになりました。さらに全年齢の貧困層に対し、国の保険を使ったこうした医療を禁止したために、LGBTQに対する差別と非難を浴びています。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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