五十肩を徹底解剖する

腱板断裂の手術後 腕はいつから「普通に」使えるようになる?

写真はイメージ

 勇気を奮って「腱板断裂」の手術を受けた後、すぐに腕が使えるようになるものでしょうか。

 手術の目的は、切れた腱を糸を用いて骨につなぐこと。糸はあくまで仮固定で、腱と骨が直接癒合するまでには時間を要します。それまでは肩が動いて修復部がちぎれないよう、三角巾のような形をした装具で腕を吊って肩を保護します。

 つまり肩を守るために手肘の使い勝手を犠牲にした生活になるのです。装具の装着は通常1カ月ほどですが、断裂が大きいときはもっと長い期間、装具生活となります。

 着替えやお風呂のときなどは一時的に装具を外します。食事や携帯電話など手肘の動きだけで済む動作は、装具をゆるめて両手を使えます。ただそれでも負担は大きいですね。

 装具をつけていると肩回り全体が硬くなり、装具を外した後1カ月ほどは、腕が上がりません。リハビリが必要で、2カ月で地面に水平に、3カ月で二の腕が耳に触れるくらいまでバンザイ可能と、ゆっくり可動域が戻っていきます。

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安井謙二

安井謙二

東京女子医大整形外科で年間3000人超の肩関節疾患の診療と、約1500件の肩関節手術を経験する。現在は山手クリニック(東京・下北沢)など、東京、埼玉、神奈川の複数の医療機関で肩診療を行う。

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