サル痘は本当にセックスでうつる病気なのか? WHOが調査開始

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 通常は1~2週間の潜伏期間の後、発熱、頭痛、リンパ節腫脹、筋肉痛などが1~5日続き、その後、発疹が出現する。発疹は典型的には顔面から始まり、体幹部へと広がる。水疱、膿疱化した後、発症後2~4週間で治る。発疹は皮膚だけではない。口腔、陰部の粘膜、結膜や角膜にも生じることがある。特に初期においては水痘や麻しん、梅毒といったその他の発疹症との鑑別が困難なことがあるという。

 致命率は0~11%とされ、小児らで重症化、死亡した症例報告もあるが、先進国では死亡例は報告されていない。これまでまれに流行地域以外でも、流行地からの渡航者らで発生した例はあるが、今回のように世界同時多発的に発生したことはない。

■ドイツとイタリアの男性患者の精液からウイルスを検出

 今回、気になるのはこの病気が主にセックスでうつる性感染症ではないか、と疑われていることだ。イタリアとドイツの一部のサル痘患者の精液からウイルスのDNAが検出されたとの報告が出ているからだ。この中には、患者1人の精液から見つかったウイルスが他の人に感染し、複製可能であることを示す、研究所で検査したサンプルが含まれているという。

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