60歳からの健康術

老眼は進行すれば遠くも見えなくなる 原因は水晶体と毛様体の老化にあり

老視が進むとどこにもピントは合わなくなる

「正視の人が眼前30センチにピントを近づけるには3Dの調節力が必要です。そのため近視用メガネを必要としなかった人は45~50歳くらいで新聞を読むのに手を伸ばすようになり、老眼鏡が欲しくなります」

 よく「近視の人は老眼になりにくい」と言われるが、それは間違い。

「近視の人はそもそも近くが見やすいために、老視の自覚が遅れるだけで年をとれば相応に近くが見えにくくなります。注意したいのは近くが見えにくいのは老視の初期症状に過ぎず、老視が進むとどこにもピントは合わせられなくなります」

 老視の最大の危険因子は年齢だが、遠視、糖尿病、心血管疾患などでは40歳未満の早期老視リスクが高まる可能性がある。その他、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、利尿薬なども早期老視に関連する。

 老視の治療については大まかに、老眼鏡や遠近両用コンタクトレンズ、点眼薬やサプリメント、手術の3種類が存在する。

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