世界初の「がん悪液質の薬」はどんな効果を上げているのか?

写真はイメージ

 ③では体力低下が顕著になり抗がん剤治療の効果が期待できなくなる時期で、余命の限られた状態となる。

「エドルミズは、これに対抗するためのもので、グレリンと呼ばれる物質に似た働きをする飲み薬です。グレリンは、主に胃から分泌される食欲ホルモンで、食欲高進や脂肪蓄積などの生理作用があります。つまり、体重、筋肉量、食欲、代謝を調節する複数の経路を刺激するわけです。エドルミズはこれと同じような働きをすることで、がん悪液質患者の体重と筋肉量を増加させ、食欲を復活させるのです」

■4カ月体重を維持、腫瘍マーカー低下の例も

 添付文書に非小細胞肺がんのがん悪液質患者173人(エドルミズ投与83人、プラセボ投与90人)を対象に国内で行われた臨床試験の結果が記載されている。

 それによると、脂肪を除いた体重量がエドルミズ投与群で平均1.38キロ増加。プラセボ群では平均0.17キロ減少した。

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