世界初の「がん悪液質の薬」はどんな効果を上げているのか?

写真はイメージ

 80代の肺がんの女性は4.5センチ大の肝転移があった。疼痛もあり、食欲不振から以前は55キロだった体重が46キロに低下。年齢から大学病院でも治療不能との判断だった。

 肝転移と原発巣に放射線治療を加えるとともにエドルミズを投与した。抗がん剤は使わなかったが、腫瘍マーカーCEA(正常値5.0ナノグラム/ミリリットル以下)は8.7から2.9に低下。半年後の今も体重は45キロのままで、食事も8割は取れているという。

「がん治療においては昔から栄養管理が大きな課題になっていました。放射線や抗がん剤治療で効果が表れ始めていたのに、がん悪液質で体力が失われ、その成果を得る前に亡くなる方が多かった。今回の新薬の適応範囲がさらに広がり、がん治療が大きく前進することを期待しています」

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