東洋医学を正しく知って不調改善

鍼灸には専門分野別の治療がある ニーズが高い4つの分野

近年は心の問題に対しても活用されている(C)日刊ゲンダイ

 2つ目は婦人科の領域です。体のバランスを整えることを目指す東洋医学との相性が良いのです。「不妊症」「更年期障害」「月経困難症」など婦人科領域では専門の鍼灸師が多く活躍しています。

 3つ目は、近年ますますニーズが高まっている美容鍼灸です。ハリウッド女優が受けていることで世界的にも知られるようになりました。鍼は基本的に血行を良くし代謝を促す作用があるため、シワやたるみの改善につながるわけです。体のバランスを整えることによる美肌効果も期待できます。

 そして4つ目が、高齢者や小児分野です。鍼灸は免疫力を維持・向上させることができるため、健康維持や病気の予防を目的に定期的に受診する高齢者もいるほどです。子供を対象とした小児鍼では、刺さない鍼を用いて対処して、夜泣きに疳の虫や夜尿症などを得意としています。

 ちなみにこの刺さない鍼は、その軽微な刺激のためとても心地よく、施術中に眠ってしまう子供もいるぐらいです。近年では不登校や発達障害といった心の問題に対しても鍼灸が活用されています。

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中村幹佑

中村幹佑

日本医学柔整鍼灸専門学校鍼灸学科専任教員。はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師。

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