「燃え尽き症候群」は誰でもなりうる…WHO国際疾病分類の最新版に追記

写真イメージ(C)日刊ゲンダイ

 燃え尽き症候群──。聞いたことがある人もいるだろう。WHOが作成する国際疾病分類の最新版「ICD-11」が1月に発効され、今回「燃え尽き症候群」が追記された。「燃え尽き症候群は誰にでも起こり得る」と話す複数の企業で産業医を務める池井佑丞氏(「リバランス」代表)に話を聞いた。

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「燃え尽き症候群とは、仕事にやる気を出せず、適応できなくなった状態。シンプルにパワーが出ない、エネルギーが枯渇したと感じるといった場合、燃え尽き症候群の可能性が考えられます」

 結果的にパフォーマンスが落ちる。燃え尽き症候群自体は「病気」ではないが、放置するとうつ病などのメンタル疾患につながる恐れがある。

「メンタル疾患というと、生真面目できちょうめんな人がなりやすいと考えられがちです。しかし人の性格は多面的。ある面から見れば豪放磊落でも、別の面から見ると気遣いの人というのはよくある。私が産業医として接したメンタル疾患の人には、『まさかあの人が』と周囲に驚かれる一方で、産業医からすると、さもありなんということが少なくありません」

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