大学生の体格からみる「所得格差は健康格差」医療情報学教授が語る

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 これらの結果は、コロナ禍より前のデータによる。20年から21年にかけて、多くの大学が閉鎖されていたため、実家に戻った学生も多かったはずだ。しかし中には、最近まで帰省しなかった(できなかった)学生もいるだろう。大学の授業はほとんどがオンラインになっていたので、外出や運動の機会が減り、自室にこもってパソコン相手の生活を強いられた。

 そんな学生は、当然太りやすくなったに違いない。コロナでしばらく帰省しなかった大学生の息子や娘が、久しぶりに帰ってきたら体がひと回り大きくなっていた、といった経験をお持ちの親も少なくないだろう。人間的にも大きくなっていれば、言うことはないのだが。

 とはいえ、まだ若いので、多少太ったからといって、健康上の問題がすぐに生じる心配はほとんどない。それにBMI25程度なら、いわゆる“ちょいメタボ”の範疇なので、むしろ健康的と言っていい。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

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