■経済低迷がもたらした異変
むしろ心配なのは、若者の体格が貧弱というか、華奢になる傾向が見られることではないだろうか。というのも、ここ10年ほどの間に、新入生が小柄になってきたと感じることが増えたからである。これは私だけが抱いている感覚かもしれないが、他大学に勤めている友人・知人の中にも、同じことを言う者が何人かいる。男子も女子もスマートになり、とくに女子では、身長が低い学生が増えた感じがするのである。
そこでスポーツ庁(文部科学省)の「体力・運動能力調査」を眺めていくと、それらしい兆候が認められた。過去10年間のデータを見ると、大学1年生(18歳)の平均身長は、男子では12年がピークで171.72センチあったのが、年々少しずつ減って、20年には171.05センチになった。女子も同様で、12年の平均が158.69センチだったのが、20年には157.9センチに縮んだ。