またほぼ同時期に「子供の貧困」が叫ばれるようになった。貧困と言っても、食事に事欠くような家庭はまれで、「所得格差の拡大」と言ったほうが的を射ているのだが、学校の給食費すら払えない家庭もジワジワと増えているらしい。家でも、栄養のある食事を十分に食べていない可能性がある。
そういう子供が増えているのだから、大学の新入生も、この先何年にもわたって、体格の低下が続くのは必至である。
さらにそれが、10年後、20年後の日本人の新たな健康問題の火種になるかもしれず、先行きが不安である。
(永田宏・長浜バイオ大学メディカルバイオサイエンス学科教授)