60歳からの健康術

40歳以上の半数が目の不調を自覚 「眼精疲労」をどうするか

写真はイメージ

 眼精疲労の原因にはドライアイも多く、眼科患者の約2割、1200万人以上がドライアイだという。ドライアイは涙液層の安定性が低下する疾患で、VDT作業者(液晶などの画面表示機器と、キーボード、マウスなどの入力機器で構成される端末を使う作業を行う人)の約66%にドライアイ症状がある。

「ドライアイは目のかすみや疲れといった機能異常を伴い、目表面の涙液層が不安定で涙がいつものようにレンズの役目を果たせず、眼精疲労を起こします。コロナ禍ではマスク使用に伴う目への息の吹き付けによる『マスクドライアイ』も増えていました」

 赤ちゃんの涙は、大人に比べて飽和脂肪酸やタンパク質を多く含んでいる。そのため大人に比べてまばたきが少ないことがわかっている。

「逆に大人はしっかりとしたまばたきが必要です。まばたきは涙腺から水分を、マイボーム腺から油を出し、また涙を目表面に均一に広げるとともに老廃物を洗い流す働きもするからです。加齢などの原因でマイボーム腺が萎縮すれば、目表面の油は不足し水分の蒸発が過剰となって、ドライアイが進行して眼精疲労を招きます。対策としては、デジタル画面を20分見るごとに、20フィート(6メートル)先を20秒見るという『20-20-20ルール』が米国では推奨されていますが、これを真似るのもよいでしょう」

 眼精疲労に心当たりがある人は、早めに眼科専門医を訪ねることだ。

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