糖尿病になると、インスリンの分泌や働きが悪くなります。食事をすると血糖値が上昇しますが、健康な人ではインスリンによってブドウ糖が細胞にエネルギー源として利用され、血糖値が元に戻ります。
一方、インスリンの分泌や働きが悪い糖尿病の人は、ブドウ糖をうまく細胞に取り込めないため、血液中に糖があふれてしまいます。脳の神経細胞も糖をうまく利用できず、機能不全に陥ってしまいます。すると、神経ネットワークも含めてエネルギー不足になり、ダメージが起こりやすくなるのです。
糖尿病が引き起こす脳の弊害はほかにもあります。インスリンの効き目が悪くなるとすい臓はインスリンをたくさん分泌しようとするのですが、それによってアミロイドβという、アルツハイマー病の原因物質が脳の神経細胞に沈着することがわかっています。
糖尿病は動脈硬化を進行させます。つまり、血管が傷つきやすくなる。脳の血管も例外ではなく、脳卒中を起こしやすくなり、血管性認知症のリスクが上がります。
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