認知症治療の第一人者が教える 元気な脳で天寿を全う

コロナ太りと認知症の意外な関係 リスク2倍アップの可能性も

重くなる前に体を動かすことが大事(C)日刊ゲンダイ

 糖尿病の3大合併症と呼ばれるものに、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害があります。このうち糖尿病腎症は、老廃物を濾過する腎臓の機能障害。老廃物が体外へ排出されなくなると、人工的に老廃物や余分な水分を排出する人工透析を受けなくてはなりません。余命が短くなり、活動量が低下して、脳の機能は落ちていきます。

 糖尿病網膜症、糖尿病神経障害も、直接的にではないにしろ、脳へダメージを与えます。糖尿病網膜症では失明の危険がありますし、糖尿病神経障害ではちょっとした傷から壊疽を招き、脚の切断という最悪の事態に至りかねません。いずれも活動量の低下、社会的孤立につながりやすく、認知症になりやすくなります。

■ちょっと太っただけ…の落とし穴

 肥満が関係するほかの病気、具体的には高血圧、脂質異常症なども認知症に関係しています。それについては、次の回で触れたいと思います。

3 / 4 ページ

新井平伊

新井平伊

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

関連記事